日常と非日常に彩りがほしい

趣味関連のおはなし

湯島未春サークル考察 <暴走アカデミズム再録>

こんにちは。東大の二次試験もそろそろ終わる頃でしょうか?

大受験といえば、それをテーマにしたきらら漫画『妄想アカデミズム』はもうお読みですか?この作品は昨年10月末に第1巻が発売されたばかりなのにも関わらず、東大生協駒場書籍部の2023年総合ランキングで第4位(漫画では第1位)に輝くほどの人気を博しています!

まだ読んでいないという方も、きららベースで3話まで試し読みできます!

seiga.nicovideo.jp

東大きらら同好会も東大生協書籍部とコラボして宣伝ペーパーの配布や関連書籍の紹介を行うなど、積極的に応援しています。

さらに、外部寄稿者も募った合同誌『暴走アカデミズム』を発行しました!そして初頒布は駒場祭(東大の学祭のひとつ)のコミックアカデミーで行われ、原作者の檜山ユキ先生もお越しくださいました!

下段中央が原作、左上が暴走アカデミズムです。

見てくださいこのかわいいデザイン!いつもの本とは違い、シールで飾ったバインダーにファイリングした装丁になっています。そんでもって製本作業はぜんっぜんかわいくない!!地獄!!!

 

そんな『暴走アカデミズム』が、この度二次試験に合わせてweb公開されました!受験生応援!妄想アカデミズム応援!

utkiraracircle.hatenablog.com

上のブログから全文のPDFを読めますが、私の方でも表題の自分の記事を公開しようと思います。B5で4ページ分なのでサクッと読めるはずです。

※2023年9月頃に書いた文章ですので現在の最新話までの内容と矛盾している可能性があります。ご了承ください。

 

 

 

湯島未春サークル考察

 

皆さんご存知の通り、『妄想アカデミズム』は主人公湯島未春が東大を目指す受験漫画です。高2の時点で学力が着実に向上していることや(メタ的ですが)主人公であることから、未春が合格する可能性は高いと予想されます。東大入学後については未春と莉子の妄想として度々話題になっており、読者の関心も高いでしょう。大学生活で少なくないウェイトを占めるのが部活動・サークル活動です。そこで、ここでは未春がどんな部活動・サークル活動に入るかについて考えてみたいと思います。


まず前提として、作中の東大は「東卿大学」であり現実の東京大学とは異なります。これは「矢須田講堂*1」という名称や通行可能な赤門*2からも伺えます。しかし、科類や受験科目など基本的な部分は共通しているため、現実の東京大学をある程度敷衍して考えてもそれほど差し支えないと思われます。


さて本題ですが、東大には数百の部活・サークルが存在するうえに新設することもできるので、扱う対象は実に様々です。そのうえ作中におけるサークル活動の描写といえば、未春がテニスサークル(実質イベサー)に入ってしまうという莉子の妄想だけであり、ほとんど手掛かりがありません。そのため本記事はあくまでも一読者の妄想の域を出ないことをあらかじめご了承ください。


手始めにサークル選びの方法を次の4つに分類してそれぞれ考察してみましょう。未春でなくても一般的にこのいずれかに当てはまるかと思います。


① 友人と同じサークルに入る
未春が東大を目指す理由は、大学でも莉子と一緒にいたいからです。学年も科類も違う2人ですから、莉子と同じサークルに入るのは学生生活を共に過ごす方法として蓋然性が高いでしょう。そうなると次に考えるのは莉子の所属サークルです。莉子は1年先に入学するわけですから、自分の好きなところに入る可能性が高いでしょう。莉子の趣味や高校での部活は特に言及されていませんが、数学を中心として学問が好きな描写が随所に見られます。このことから、莉子は学術系のサークルに入ってもおかしくなさそうです。しかし元々勉強が苦手な未春が、莉子がいるという動機だけでそのような学術サークルに入るとは考えにくいでしょう。学生生活を一緒に過ごすなら同棲やアルバイト等も有力な選択肢となるので、無理にサークルを合わせる必要もありません。


② 自分の趣味に合うサークルに入る
自分の趣味や高校までの部活をもとにサークルを選ぶのは最も自然な選択でしょう。しかし本作品の性質上、受験関連の話題や未春と莉子の両片思いの描写こそ豊富ですが、未春の趣味や部活の話は現時点では出てきていません(見落としていたらすみません)。趣味から推測することは一旦保留します。


③ 大学で新しいことに挑戦する
先述の通り東大には多種多様な団体があるので、大学から新しいスポーツや楽器などを始めるという人は珍しくありません。未春も苦手な勉強を克服しつつあるように新しい活動を始めてもおかしくありませんが、推察しようがありません。


④ 自分でサークルを作る
自分のやりたいことを扱っているサークルがない場合、新しくサークルを創設する人もいます。大学の公認を得るには所定の手続きが必要ですが、非公認サークルなら勝手に宣言するだけでOKです。サークルを作るなんていかにもきらら主人公らしいですが、肝心の未春が大学でやりたいことが不明瞭ですので現時点では考えにくいでしょう。

 

さて手詰まりになってしまいました。

②の趣味がオーソドックスかつ取っ付きやすいと思ったのですが、なかなか難しいですね。話の内容以外で何か手掛かりがないか、ダメ元で原作を読み返してみました。

第3話の1ページ目[1]にこんなコマがありました。

英単語や世界史の年号を覚えるために未春が張り紙をしています。その中(右下)にこんなものが混ざっていますね。

「1950 芳文社設立」

『妄想アカデミズム』を連載している雑誌『まんがタイムきらら』などを発行している出版社ですね。なぜこんなものまで張ってあるのでしょうか? 芳文社が歴史や公民の試験に出るほど重要な会社になっている世界線もあり得なくはないですが、現実世界と似通った設定であることを考慮するとその可能性は低いでしょう。より可能性が高いのは、勉強のモチベーション維持のためです。私も受験生の頃は東大のパンフレットを棚に置いて、集中が途切れたときに眺めていました。これを未春に当てはめると次のように解釈できます。

 

未春は芳文社の漫画が大好きである。芳文社は東大本郷キャンパスの近くにあり、イチオシ作品のポスターや某アニメ化作品の等身大パネルなどが掲出されている。東大に通えば気軽に芳文社を拝むことができるため、東大合格を目指すモチベーションになる。

 

実際、日本武道館での東大入学式の後に「芳に巡礼[2]」した人もいますし、私自身近くに寄ったとき芳文社の写真をSNSに投稿することもあります。ですから、未春が同じようなことを考えている可能性は否定できないでしょう。

 

ということで、未春の趣味について、芳文社の漫画が大好きという仮説が立てられました。芳文社の漫画にもいろいろありますが、10代の若者が読んでいそうなものといえば「まんがタイム」や「まんがタイムきらら」レーベルの作品が有力です。特に「まんがタイムきらら」レーベルは30作品以上がアニメ化されるほど人気であり、その中に未春の好きな作品が複数あってもおかしくありません。

 

これを踏まえ、改めて未春のサークルを考えてみましょう。どうやら東京大学きらら同好会というサークルが実在するみたいですね。きらら作品に関する交流や同人誌の頒布が主な活動のようです。きららが好きな人なら楽しめますし、未春の妄想力は創作活動にも活かせるのではないでしょうか?莉子に心配されるようなウェイサーでもないですから安心ですね。作中の世界にも存在するかは分かりませんが、ない場合は未春が設立することもあり得るでしょう。

 

結論として、湯島未春は東大きらら同好会に加入する可能性が高いと考えられます。未春は現役で合格すれば令和6年度入学なので、もし現在受験生の読者がいたら東大きらら同好会で未春と同期になれるかもしれませんね。

 

 

追記:『妄想アカデミズム』1巻の表紙で未春が積み上げている参考書の中に『まんがタイムきらら2023年10月号』と思しき雑誌が混ざっていました。やはり未春はきらら好きのようです。

 

 

参考文献

[1] 檜山ユキ (2022).「妄想アカデミズム 第3話」まんがタイムきらら2022年10月号 p.133, 芳文社.

[2] 500mL (2021-04-12). https://x.com/0500mL/status/1381483455079321603, Last Access:2023-10-25.

*1:安田講堂という東京大学を象徴する建築物があります。

*2:赤門は元は加賀藩前田家の屋敷の一部で、重要文化財に登録されています。耐震性の問題で現在は立ち入り禁止となっています。